中野剛志の『TPP亡国論』読みかけなので序文と第一章について

序文に「TPPという具体的な問題の検証を通じて、日本人の戦略的思考回路を回復させようという試みです」とある。
元外務官僚の孫崎氏は昨年『日本人のための戦略的思考入門』という本を出している。
二人がなぜ戦略的思考をテーマにしているのか。
それは、かつてキッシンジャー(注1)が1974年にと訒小平に述べた台詞、「日本はいまだに、戦略的な思考をしません。経済的な観点からものを考えます」(『キッシンジャー〔最高機密〕会話録』毎日新聞社、1999年)や「キッシンジャーの側近によれば、キッシンジャーは『日本人は論理的でなく、長期的視野もなく、彼らと関係を持つのは難しい。日本人は単調で、頭が鈍く、自分が関心を払うに値する連中ではない。ソニーのセールスマンのようなものだ。さらに悪いことに中米日本大使に昼食に呼ばれるといつもウインナーシュニツェルしか出さない』と嘆いていた」(注2)等から明らか。


第一章は、Twitterで話題になった動画、テキストをある程度目にしてる人は読む必要性はあまりないかも。


(注1)日本では国際政治の分野で神様のように扱われてきた人 <孫崎氏『日米同盟の正体』26頁より>
(注2)マイケル・シャラー・アリゾナ大学教授が96年の日米プロジェクト会議での報告書「ニクソンショックと日米戦略関係」に記している。本訳は孫崎氏によるもの <孫崎氏『日米同盟の正体』27頁より>

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ところで、戦略的思考をするためには、その元となる知識・データ、
視野の広さ、冷静さ、ある程度客観的にモノ・状況を見ることが
できないといけないわけで、そこはスルーしてるんだよね。
それらはもうセンスみたいなもんだと自分は思うから、
ないひとには局所的な戦略的思考しかできない。
「じゃあ、お前は局所的でない戦略的思考ができるのか」と言われても困るんだけど。